特別寄稿: 『カープ・シンフォニー』のこと

第6章:2008年11月24日 - ワールドプレミア

 2008年11月に一旦完成した「カープ・シンフォニー」は演奏時間40分強になりました。スコアに目を通した指揮者・渡邊一正さんから、30分ぐらいになるまで短くした方が良いとアドバイスを頂き全体を再考。オーケストレーションについては藤野浩一さんが私のスコアの不備を細かく指摘して下さいました。お二人に感謝。そして脱稿したスコアは大急ぎで指揮者用にキレイに整理、同時にオーケストラ80人分のパート譜を作って頂くため浄書屋さんへ。仕上がったパート譜は膨大な紙の束。これを楽団のスタッフが仕分けして、演奏する団員に配られるワケです。私の経験上最大のアンサンブルなので、大変な作業だなぁーと感心しました。尚、オーケストラ・リハーサルは2回でした。

 初演の舞台となった「ありがとう広島市民球場 - THE CARP SYMPHONY」は同年11月24日、2回公演で開催されました。前半はシンガーソングライター原田真二さんが藤野浩一さんの編曲・指揮による広島交響楽団をバックに従えてのステージ、後半が「カープ・シンフォニー」、最後は広島東洋カープ全国私設応援団・新藤邦憲会長はじめ応援団の方々が登壇、会場総立ちで「それゆけカープ」を大合唱。当日は雨の降りしきる寒い中、沢山のお客様が聞いて下さいました。2公演とも聞いて下さった方もいらっしゃいて嬉しかったものです。演奏を聞いた藤野浩一さんは、「誰が何と言おうと、これは君の、お父さんへのレクィエムだ」と評しました。

 広島カープの計らいで、マーティー・ブラウン監督はじめカープの選手もご来場下さり、会場内ではサイン会も行われました。実はこっちのほうが盛り上がってたんじゃないかな?私もサイン会に並びたかったけど無理。演奏後に舞台上でマーティーが笑顔で「すごく楽しんだよ!」と声をかけてくれたので良しとしましょう。

 公演の夜、滞在していた広島のホテルに東京・TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」のスタッフから電話があり、パーソナリティーの大沢悠里さんが初演のお祝いをしたいから、電話インタビューで翌朝の放送中に出演してくれと。大沢悠里さんは父の仲良しで、私も大沢悠里プロデュース+宮ア尚志作曲の録音に関わった際、スタジオで何度も顔を合わせておりましたので、畏れ多くも喜んで早朝に起きました。



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