『クレヴァニ、愛のトンネル 〜 Original Soundtrack』- Liner Notes

目次

stamp これだけ仕上げに時間を費やしたことは無い。
何故こんなに時間が掛かったのか…?
その理由は簡単だ。
終わらせたくなかった。
永遠にこの映画を作り続けていたかった。
この甘美な音楽世界に浸っていたかった…

監督:今関あきよし

「緑のトンネルへ、再び」  by 宮崎 道

 音楽と映画とが良好な関係を築くことができた幸運。「クレヴァニ、愛のトンネル」はそんな印象の映画。「静」である今に「動」の過去がカットインする度にドラマが動き、錆びた大きな歯車が徐々に回り始める。なんという静かな映画…パッと見より、ずっと奥に光る美しさ。だから映画はオーソドックスな美しい響きのする音楽を最初から求めていた。圧倒的な静寂の中、胸いっぱいのやるせなさと戸惑いを抱えながら。そして今関あきよし監督は「普通じゃない映画だから普通の映画音楽じゃない方がいい」とだけ言った。

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 このサウンドトラックは「映画にインスパイアされた作品」だ。音楽は決して登場人物の心情に同調させていない。映像と一緒になってドラマを綴るのではなく、私が感じた映画のイメージ像を紡いでいる。その点で、監督の言う通り「普通の映画音楽じゃない」になった。この作り方は私も初体験。貴重な経験、楽しい思い出だ。

 だが良い思い出はそのままにしておきたいもの。音楽作品として完成とは言い難くとも手を加えることで色褪せさせたくなかったし、「緑のトンネル」を抜けた次の場所に行きたかった…正直、避けていた。その私をまた緑のトンネルに向かわせたのは「クレヴァニ」ファンの熱い要望、この映画と共に音楽を高く評価してくれた人達の生の声だ(その声の中には今関監督も入っていた)。

 それを必要としている人が居るなら音楽は完成させるべきだし、聴けるようにすべき。思い切って音楽全般を見直した。映画本編ではカットされた箇所を呼び戻した。構成上、足りない部分は新たに作曲した。そしてリミックスし、ここにオリジナル・サウンドトラック盤の名で、作品が完成した。

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 尚、本作にはエンドタイトルに流れてくる高本りな(Rina Kohmoto)さんの歌う主題歌「クレヴァニ〜愛のある場所」(作詞作曲:犬飼伸二)は収録していない。だから主題歌CDを別途揃え、プレイリストの最後に加えることで、「クレヴァニ」サントラ盤はコンプリートする。

 待っていてくれた皆に、特別の謝辞を贈りたい。又、カヴァー・アート・デザインを仕立てて下さった水野 歌さん、そのデザインをもディレクションした今関あきよし監督にも心よりの感謝を。このアルバム、お気に召して頂けますように。映画と共にこの音楽も世界に届け!と願いつつ。



 
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