『VAMP - Inside The Archives』- Liner Notes
目次
『コンプリート・コレクション』 宮ア 道
私の場合、映画音楽の製作では、作曲したものの採用されなかった曲、映画全体のバランスの問題で不採用となってしまう曲、監督との意思統一のために作成したデモ・トラックなど、世に発表されない曲の録音が多く残ります。それらを別の映画などにリサイクル使用することは、私はほとんどやった事はありませんし、そうするつもりもありません。映画音楽はオーダーメイドであるべきと思うからです。数少ない例外は短編映画『CHAIN』と『毒毒夫婦』(MMS製作・武田正章監督)だけです。
その映画音楽をオリジナル・サウンドトラックというアルバムにする際には更に全体を見直して、1つの“音楽作品”として聞くに値するものに整えるのですが、そこで構成上、収録から外した方が良い曲が出てきます。こうしてアルバムはシェイプアップされて作成されていきます。
2019年の映画『VAMP』の場合、オリジナル・サウンドトラックは全曲を再演/リミックスしており、当初の計画では全曲を収録するつもりでしたからトラックそのものに不備や不満はありません。それでも漏れなく収録しようとすると、バランスが悪い。やはりシェイプアップする必要がありました。
とはいえ、デモ・トラックも全てリミックスしてリスニングに耐え得るものにアップグレードしたので、アルバム収録から漏れたというだけで、それらを捨ててしまうのも勿体ない。それでそれらを別途、もう1枚に収めた《副読本》を作るのも面白いかと思い、この『VAMP - Inside The Archives』を製作しました。又、2枚を合わせることで『VAMP』のオリジナル・サウンドトラックがコンプリートします。
各曲には解説が必要でしょう。別項の【全曲解説】に記しましたので、聞きながらご覧いただけると幸いです。
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