※このページの文章は宮崎尚志自身の手よって2000年にワープロにインプットされた「宮崎尚志・音楽歴」から転載し、「コメント」のみSOGAKUが加筆・編集しました。一万曲にも及ぶといわれる無数の作品は当の宮崎尚志自身も「とても書ききれない」と語り、以下に記載されているものは作者自身が“気に入っていた作”です。尚、現時点での順番はオリジナル・ワープロ・データに準じていますので、読みにくい点は何卒ご容赦下さい。

 主要作品

CM名 コメント
コカコーラ「スカットさわやかコカコーラ」

日本に於けるコカコーラ最初のTV-CMのコマソン。第1回ACC・CMフェスティバルにてTV-CM部門の作曲賞を受賞。複数タイプあり。

※CD「懐かしのCM音楽・大全集」収録。
ネスカフェ「ネスカフェ43粒スプーンに一杯」 お馴染、ネスレのインスタントコーヒー。現在の銘柄でいえば“Excella”の元祖。当時は顆粒ではなく粒状で、指定の1カップ=スプーン1杯の分量(粒)を実際に数えたところ、たまたま43粒だったことからこの歌を作った。曲はアメリカ古謡だという話だが、作詞は宮崎尚志自身。

※CD「懐かしのCM音楽・大全集」収録。
7up
ケロッグ「コーンフレークス」 日本に於けるコーンフレークの最初のCMとのこと。
東芝「カレッジエース」
三菱電機「マイクロシックス」 歌はボニージャックス&中野慶子。商品は三菱の小型テレビ。

「どこにも連れてこ、世界で一番軽くて小さな....三菱マイクロテレビ」。
ロッテ「ガーナ・チョコレート」 日本で最初の集中スポットCM。冒頭のアルペンホルンの“パッパパー”というフレーズはロッテ社のCMサウンドロゴになった。歌は天地総子さん。

「ミルクがいっぱい、ロッテのチョコレート・ガーナ、ミルクがたっぷり、ロッテのチョコレートガーナ」。
山形屋「山形屋のお海苔」 老舗・山形屋海苔店(http://www.yamagataya.co.jp/)のCM。歌は安田章子(=由紀さおり)さん。2009年にこのCMソングを元に、宮崎 道が「山形屋のお海苔の主題による変装(?!)曲」を作曲しています。

「お海苔・海苔・海苔・山形屋、お海苔美味しい山形屋」。
ラズベリー・チョコレート
東芝/三菱/富士/日立 扇風機 複数メーカーの競合商品CMを、同時期に同じCF (commercial film) スタッフは手がけてはいけない…というCM業界の不文律を破り、大手メーカー各社の扇風機群のCF音楽を宮崎尚志は次々に手がけ、これが問題視されてCM業界から暫くの間ホサされることに。だがすぐに復帰できたのも「宮崎尚志に音楽を頼んでCMを打てば商品は必ずヒットする」という業界伝説があり、メーカー広報側からの指名が引きも切らなかったため。
大正製薬「リポビタンD」(シリーズ) “ファイトでいこう!”から“ファイト!一発!”へとコピーが移り変わった時期に数多く手がけ、コマソンではなく徹底したCM音楽を主につけています。
つけてないのネー(スコア)
ESSO「世界のマーク」
カルピス&ブランデー(シリーズ)
カルピス  1960〜70年代半ばにかけて手がけたカルピスのCMは数多い。「あなたがいるゥー....」
ライオン「ピンキー」 歌は田中星児さん。洗剤のCMソングで、数多いタイプが残されています。
「ちょっぴりですけれど幸せの香りが、ちょっぴりですけれど聞こえてくるでしょう、ピンキー....」

※CD「懐かしのCM音楽・大全集」収録。
山発産業「フェミニン」 シャンプー式白髪染めのコマソン。歌は成田賢さん。フランス風のセンチメンタルな曲になっています。

「恋人にしたいなと僕のこころ我が儘を言う、I Love You、I Need You....」
高島屋
三菱グループ「人間が大好きだ」

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作詞は阿久悠さん、歌は成田賢さんとクルス・ブルンネンさん。1973年〜1974年にかけて。主に日曜朝にオンエアされていた三菱グループのCM。


詳しくは「Column」=>「宮崎尚志のフィルムケース」=>「三菱グループ:人間が大好きだ」を参照下さい
三菱グループ「僕のそばへ来ませんか」

Columnへ
作詞は阿久 悠さん、歌は成田 賢さん。1975年の作品。ACC・CMフェスティバルTV-CM部門・作曲賞受賞。


詳しくは「Column」=>「宮崎尚志のフィルムケース」=>「三菱グループ:僕のそばへ来ませんか」を参照下さい
日本石油
  • タンク車編
  • 吹雪編
  • ママさんバレー編
  • 少年野球編.....等
  • この4作は「サントリートリス/雨と仔犬編」で知られる高橋 典監督とのコンビによる日石の長編CM。「タンク車編」はACC・CMフェスティバルで“秀作”に選出。「吹雪編」は北国のタンクローリー運転手の物語で、猛吹雪の中のロケ映像は映画『シャイニング』(S.キューブリック監督)の映像さながら。
    三越商事 「一つやまこし三越商事」 作詞と歌は小野栄一さん。駄洒落な歌詞、ドロドロ演歌調の曲で大ヒットしたコマソン。

    「一つ山越し、二つ山越し、三つ山越し三越商事。三越ハウス...」

    ※CD「懐かしのCM音楽・大全集」収録。
    ムラカミ食品 「村上の蒲鉾」 歌は田中星児さん。尼崎の老舗「ムラカミ」のCMソング。歌は初代「歌のおにいさん」として知られる田中星児さん。

    「祭りばやしの笛の音は遠い昔の思い出と、母さんの香りがしてきます、母さんの香りが....村上の蒲鉾」
    赤福「赤福餅のうた」 伊勢の名物「赤福餅」のCMは、ほぼ総てを宮崎尚志が手がけてきました。TV-CMを打つまでのエピソードは赤福ホームページ( http://www.akafuku.co.jp/)に記載されています。「赤福餅のうた」は、最初に俳優・藤田まことさんとハニーナイツの面々が歌いました。以来、TV-CMフィルムが新しくなる度に様々な歌手が歌い、ラジオCM版でも成田賢さん、来栖あんなさんをはじめ多くの歌手が歌ってきました。赤福餅のサウンドロゴは三重を中心に、関西では知らない人はいません。

    「....エッじゃないかエッじゃないかエッじゃなーいか、伊勢の名物、赤福餅はエッじゃないか、チュン!」
    TDK「スーパー・アヴィリン」 TDKビデオテープ“Super Avylin”のCM。歌はサンディー(SANDII)さん。孔雀が次第に羽を広げていく映像でした。

    「Come Back Clean!....」
    第一製薬「パテックス・ハイ」
    国鉄「フルムーン旅行」 旧国鉄時代の大ヒットCM。上原 兼と高峰三枝子を主演に、熟年夫婦対象のコマーシャルでハネムーンならぬ“フルムーン”は流行語にもなり、フルムーン旅行がブームに。監督:大林宣彦 + 音楽:宮崎尚志(ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番・第3楽章」のアレンジ)の名コンビによる、幻想的で夢のような作品でした。
    マルサン「マルサン豆乳スープ」 からだに、えぇよぅ〜
    大関「はこのさけ」 日本酒といえばビンやカップが主流の時代、加工紙パックに1.8リットルを詰め込んで価格も安く抑えたエポックメイキングな「はこのさけ」。料理酒としても気軽に使えることで主婦層にもウケて大ヒット、現在はこの“はこ酒”はスタンダードになりました。最初のCMはデキシーランド・バンドをバックに歌手・俳優の鹿内 孝さんが歌いました。その後サウンドロゴだけ残した様々なバージョンが製作されオン・エアされました。この「はこのさけ」の音楽は9つのタイプ、それに対する各種バージョンが全て残されており、TV用、ラジオ用、その他宣伝用と、総計で30数テイク存在します。又、店頭宣伝用だと思われますが、鹿内さんが歌うフル・バージョンも録音されています。TV「ズバリ!当てましょう」の泉大介さんが語るバックに流れている音楽こそ、宮崎尚志の音楽です。

    「は・は・は・は・はーは、はこのーさけ〜/は・は・は・は・はーは、はこのさけ/はこはこーはこ、はこのさけー/酒は大関・はこのーさけー....」
    チョーヤ「チョーヤの梅酒」 ※ いつの時期のものかは不明。調査中。
    白元 「ドライ アン ドライ」
    旭化成 「テナック メッキ」
    篠崎製菓「ライオネス コーヒー キャンディ」


    ご存知「ライオネス・コーヒー・キャンディ」のCMソング。歌は天地総子さん。宮崎尚志得意のアコーディオンを効果的に用いた爽やかなアレンジのコマソンです。現ライオン製菓株式会社(http://www.lion-k.co.jp/)のキャンディ。1970年代を通じて頻繁にオンエアされていました。作曲者没後の2008年には新商品「ライオネス・コーヒーキャンディ・プレミアム」のCMソングに同曲の最新アレンジ版を使用、久々にあのメロディーがTVから流れました。篠崎製菓はその後社名をLion菓子とし、現在も「きえちゃう!!キャンディー」でお馴染みのメーカーです。

    「ライオネスコーヒーキャンディー/ライオネスコーヒーキャンディー/本場のコーヒーの味/ライオネスコーヒーキャンディー/広がる味はコーヒー/ライオネスコーヒーキャンディー/ラララ・ライオネスコーヒーキャンディー、コーヒー!」
    カルピス 「ホット カルピス」 斎藤由貴さんが出演していたCM。
    山本 「三輪そうめん 山本」

    老舗三輪そうめん 山本(http://www.miwayama.co.jp/)のCM。地元のみならず関東でもオンエアされていたので覚えていらっしゃる方も多いでしょう、最近はあまり見ませんね。宮崎は長年に渡って数多い本数を手がけていたので、東京で流れていた最近のものは「笹の葉さらさら」編でしたでしょうか。尚、宮崎尚志は、2001年に奈良の友人から頂いた超極細「白髪」が最大のお気に入りでした

    「みわそうめん、や・ま・も・と」
    アンソワール保険
    丸大 「プレスハム」
    名作CFの1つ。朝日に照らされ、朝食が並ぶ食卓に子供の笑い声がこだまする、人物の一切出てこない幻想的な映像(同じスタイルの別バージョンでは朝のランニングに励む子供が登場します)。そこに来栖アンナさんが歌うコマソンで清々しい世界を構築していました。宮崎尚志得意のアコーディオンをフィーチュアし、バスクラリネットとグロッケンシュピールを含む弦楽+バンド(KeyboardにはSolina Strings Ensembleを使用)という特殊編成が違和感なく溶け合っています。
    ライフランド
    孔官堂 (かぐやひめシリーズ) 孔官堂のお線香「松竹梅」、「千年香」、「蘭月」のCM。当初はコマソンではなく、竹取物語を題材にした人形アニメに対する映画さながらのサウンドトラックを作っていました。このCMで「かぐや〜ひめ〜」というサウンドロゴが定着し過ぎたのか、後に中野慶子が歌う「かぐや姫の孔官堂、孔官堂のお線香....」とハッキリ宣言するコマソンが作られています。
    ハヤミズ家具 船越英次さん出演。
    シオノギ 「ハンドケアー・シオノギ」 シオノギのCM。三本のフルート・アンサンブルとギターという編成のBGで、シオノギらしい透明感を作っていました。サウンドロゴは「ハンドケアー、シオノギー」とそのまま歌っています。
    住友化学(中国版) 中国用の海外CM。勿論、中国語。日本では見ることができません。
    シチズン(海外CF)
  • パーマブライト
  • エクシード
  • アナデジ
  • ノブリア
  • セパ
  • レディス ブレスレット
  • ノーターレジスト  ... etc.
  • 時計のシチズンの海外CMを数多く手がけました。勿論、日本では見る機会はありません。製品の名前を聞いても、エクシードやアナデジしか判りません。海外仕様のものばかりです。
    東京電力 (スウイッチポンシリーズ)
    丸大焼き肉(釜本さん編)
    往年の名サッカー選手・釜本邦茂さんが出演した丸大焼き肉のCM。

    「釜本さん、釜本さん、お元気ですかー Woo、モリモリですーねー!....」
    丸大ハム(わんぱくシリーズ)
    小林清司さん(次元大介の声でお馴染み)の「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」の印象的なナレーションで知られる「腕白シリーズ」。俳優・田中浩さんと幼い子供が至る所でサバイバルするシチュエーションのCMでした。このシリーズの音楽は映像に見合うよう、時に激しいスコアを書いています。YouTubeに掲載されているフィルムは1970年代末のもののようです。1970年代初頭のCMフィルムですと、社名は“マルダイ”とカタカナ表記だったりします。

    ※シリーズ中一曲のみ、CD「懐かしのCM音楽・大全集」収録。
    丸大 「ディナードゥ」 丸大のソーセージ。CMはタンゴを踊る男女を流れるようなカメラワークでとらえた映像に、アルゼンチン・タンゴ調の音楽が付けられています。宮崎本人はこの音楽をいたく気に入っていましたが....。
    タイガーバーム 萬金油(タイガーバーム)の日本最初のCM。頚肩腕症候群で常に首の痛みを訴えていた宮崎本人、香港に行った折りに実物(赤・白の2種類有り)を試してその効能を実感、日本発売される折に喜んでCM音楽を手がけた。
    銀行協会・マル優限度額編
    日通ペリカン便(海外編)
    カシオ 「電子手帳」
    カシオ 「デジタルホーン」 カシオの大ヒット電子楽器。小くてサックス形状のスタイルで、ラッパの部分にスピーカーを内蔵、リコーダーと同じ運指法で演奏する“電子玩具”ですが、プロのミュージシャンまでもが買い求めた面白い商品でした。この最初のCMは、宮崎尚志が欧米の民謡をサックス・アンサンブル風に編曲、デジタルホーンだけで演奏させたもの。
    カシオポケット・ワード
    丸大ハム〜(新・わんぱくシリーズ 柔道山下編他) 柔道のオリンピック金メダリスト=山下泰裕さんが登場するなどの「新・わんぱくシリーズ」の音楽。この当時、丸大ハムはCMにスポーツの名選手を多く起用していました。
    P&G 「バウンス」 ファーファなどと競合した液体柔軟剤のCMです。
    ロッテ「NEW ロッテ・ガム・シリーズ」 1990年代にかけてのロッテガムのCMシリーズです。
    ロッテ 「フロジーノ」
    ロッテのアイスクリーム。(2'30"より)
    ロッテ 「かんぞう飴」
    ロッテ 「ロッテです・よろしく」
    ロッテ 「SOYA」 豆系スナックの分野では後発商品だったロッテの「SOYA」。辺見えみりさんのデビューとなった1993年のCMです。残念ながらSOYAは競争に負けてしまい、宮崎尚志は「(小林)亜星に負けちゃった」ともらしていました。当時えんどう豆系スナックのトップにあった商品のCMを手がけていたのが、友人でありライバルでもある小林亜星さんでした。
    ロッテ「コアラのマーチ」シリーズ 1990年代初頭の「コアラのマーチ」のシリーズ。ジャニーズ・ファンはご存知だと思いますがタッキー&翼の出演編もありました。その際、サウンドロゴは宮崎尚志の指導の下、2人が歌っています。
    ※尚、「ロッテコアラのマーチ!」と歌うサウンドロゴは、宮崎尚志の作曲ではありません。
    久月「人形の久月」 初春にはテレビ/ラジオ問わず、全国区で集中的に放送される「人形〜の久月〜」のサウンドロゴは宮崎尚志の作です。1970年代はロゴだけではなくCM本編の音楽も数多く手がけていました。
    マスヤ「おにぎりせんべい」 マスヤ(http://www.masuya.co.jp/)の主力商品、おやつの定番「おにぎりせんべい」。1969年に商品が発売される時に宮崎尚志が作曲した「おにぎりせんべいのうた」のサビの部分「ごろん〜ちょグ〜イのおにぎりせ〜ん〜べい、エーイ!」は現在、「マスマ〜ス、マスヤのおにぎりせ〜んべぃ、エーイ!」とのサウンドロゴになっています。

    「おにぎりというものは、嬉しいものサ、ハァ〜/ごろんちょーで食べりゃ、おふくろさんの味がする/ごろごろ、おにぎりごろんちょ/ごろんちょ、ごろごろおにぎり/ごろんちょ、ごろごろ食べろ/ごろんちょぐーいのおにぎりせんべい、エーイ!」
    マクビティ「マクビティ・ビスケット」シリーズ 「ヤンヤーヤ・マクビティ!」のサウンドロゴで知られる、英国産マクビティ・ダイジェスティヴ・ビスケットの最初のCMです。マクビティの商品は多数あり、宮崎尚志はほとんどを手がけていますが、何と言っても「ヤンヤーヤ!」のロゴではじまる“ダイジェスティヴ・ビスケット”シリーズのインパクトが強いです。他にも「デュッデューワ・マクビティー!」という別スキャットのバージョンも作られました。尚、このCMが最初にOn Airされた際、誰もが外国人の作による輸入モノの音楽だと信じ込んだそうで、「やっぱ洋モノは出来が違うねぇー」と語っていた輩は、作者が日本人だと知って驚いた…というほほ笑ましいエピソードがあります。尚、宮崎尚志の手がけたマクビティー・ビスケットのCMは全てサウンドロゴを含む15秒〜30秒のサウンドトラックとして作られ、昔ながらのCMの作り方をしています。
    ロッテ「TOPPO」 ロッテの大ヒット商品「TOPPO(トッポ)」(http://www.lotte.co.jp/products/brand/toppo/)の、一番最初のCM。長きに渡るグリコ・ポッキーの独占市場と言っても過言ではなかったチョコ・プレッツェル市場に参入し、大成功を収めた商品です。宮崎尚志がこの新商品の音楽を手がける際、数日間に渡ってTOPPOを食べ続け、アメリカンテイストのこんがりプレッツェルをいたく気に入って、バリトンサックスを含むブラス・ロックに女声コーラスが商品名を連呼する、パワフルで爽やかな音楽を書きました。CMにはデビュー間もない稲森いずみさんが、イエローの可愛らしい衣装で登場してTOPPOを食べてました。

    「TOPPO〜/TOPPO、La La TOPPO/ホラTOPPO TOPPO TOPPO TOPPO /La La TOPPO/トッポォォォォォ〜」

    ....等々 約一万曲の作曲!